克服される現代Ⅱ

2021/10/22Fri.-11/14Sun.

12:00-18:00まで

祝日を除く月曜・火曜は休館

一般500円 小中学生200円
視覚障害者及付添い各300円

 
 

今日の美術界はどうしようもない所に立ち至っていると私には思える。

同じモチーフの繰り返しや、イラストもどきの漫絵画的アートとでも言うべき風俗美術と化した現代美術は言うに及ばず、戦後のアートシーン、アクションペインティングや純粋抽象、アンフォルメルやポップアートなどを冷静に眺めるとそれらは本当にスゴイアートだったのか、今の私は否定的である。

それどころかセザンヌを源流とする絵画史が、芸術が個人的我欲の発露へと退化した想像の欠如した見るも無残な姿に私には見える。そのきっかけはデュシャンのセザンヌ批判であった。 デュシャンには、「嘗て絵画はその背後に思想や哲学、論理や宗教といった豊かなものを孕んでいた」との発言もある。そうしたプリンシプルが絵画の今、いかに可能か討究の日々が続いている。

2021年8月 若江漢字