黒と黒「NOIR&NOIR」

Max de Larminat & Soheila Sanepour

2018/4/19Thu.-4/30Mon.

午前11時-18時まで

4月23日(月)は休館

一般500円 小中学生200円
視覚障害者及付添い各300円

 
 
Max de Larminat & Soheila Sanepour

Soheila Sanepour (ソエラ・サヌプア)がインクで描く茶葉

Soheilaの描く紅茶の小さな若枝や切れ端の一つ一つに、その筆先でしか引き出せない個性的な存在が宿っている。長年、絶えることなく数えきれないほどの小さな枯葉をメスの如く鋭い筆先で解析してきた。かつて同じ低木から生まれ、互いに似たような姿を堂々と披露した茶葉は、今では蹲った小さな小さなミイラや、ミイラの破片となり、それぞれの神秘的なベールに包まれながら、無意識にそれぞれの歴然たる違いを育んでいる。

今ではその一つ一つが自身の物語を主張し、共通の原点を包み隠そうとさえしている。これらは 小さくとも、植物というよりも動物であるかのように、全盛期に摘み取られていなければ成長したであろう 巨大な怪物のように 振る舞う。時には偶然、くねくねと捻れた茶葉は、混合した文字や未知の指事を 形作り、ありとあらゆる生物を描こうと、象徴的な世界を繰り広げる。

Soheila Sanepourが紙一面に散りばめているのは、一つまみの茶葉というよりも、様々な物語であり、 奇跡的な出会いを 待つこれらの小さな存在が、無数の冒険を紡ぎ語り、その全てがゆっくりと浸透するようにと、真っ白な空間を煎じている。