東京装画賞は、2012年、日本図書設計家協会によって創立された、日本で初の装画・装丁のコンペティ ションです。 現在、書籍の売り上げが低迷し、活字離れが進み、また、電子書籍の台頭により、紙の本を取り巻く状況は大きく変容しています。そんな中で、もう一度本の文化と歴史を再確認し、次世代に受け継ぐ人々を育て啓蒙していくという目的で作られました。 このコンペの特徴は、装画を描くだけではなく装丁もし、ブックジャケットとして提出するという点です。
今年は、『あ・うん』向田邦子、『タイム・マシン』 H.G.ウェルズ、『オズの魔法使い』 ライマン・フランク・ボームの3冊を課題図書として、一般部門と学生部門に分けて公募し、応募総数426点(一般336 点・学生90点)の中から入賞36点、入選44点の作品を選出しました。今回はこの80点の力作が一同に展示されます。 また、「ホール・オブ・フェイム(名誉の殿堂)」を設け、装画・装丁文化に貢献した先達を表彰しています。今年は、村山知義氏と安野光雅氏を表彰いたします。
◎日本図書設計家協会とは 1985年、装丁家、装画家の権利獲得と装丁・装画の啓蒙を目的に設立。今年創立30年を迎える。会報や会員作品を載せた『装丁・装画の仕事』の出版、展示などを通じて装丁・装画の啓蒙活動を行うとともに、研究や権利問題に取り組んでいる。 正会員209人。