次回以降の展示
 
 
 

池田

 


SCRAP WONDERLAND 展

開催日:2015年5月27日(水)ー6月10日(水) 入場無料
6月3日(水)のみ休館
時間:12:00-19:00
休館:月曜
場所:ギャラリーTOM

 


 
 

イケダノヴィッチ・チュリコフスキーの
イキモノたち

池田忠利展に寄せて

作家が生みだしたこれらの「イキモノ」は批判的で攻撃的な形態をしていますが、不思議ことに諧謔とユーモアも漂わせています。この作家の表現は、批判的な負の感情を生みだす鋭い線と同時に、肯定的な表現をも持ち合わせた曲線との、二重構造になっています。そこにこの作家の造形思考の秘密があります。形を彩っている豊かな色彩は粉飾にすぎません。
これらの「イキモノ」をモノクロでコピーして色彩を剥奪すると、形の中で強く自己主張しているのは直線であることがよくわかります。しかし、直線は限りなく曲線であるという説をもってすれば、これらの「イキモノ」は、実は柔らかい線に支配されていることもわかります。画家が人の目を欺くために曲線の上に直線をのせてカモフラージュさせていて、いわば造形的な隠喩の手法を使っているのです。鋭い形態は見かけだけなのです。
その奥には人間を温かい目で見つめる作家の人文主義的な眼差しが見え隠れしています。
イキモノとヒトとの曖昧な境界を直線と曲線という造形言語で表しているのがこれらの作品なのです。
「イキモノ」の作品は、わたしにはジョルジョ・アガンベンの『開かれ』や『中身のない人間』を形象化したもののように思えます。日夜、密かにこうしたイキモノを飼育している作家の尽きない創造力に驚異を讃えたい。諧謔と黒いユーモアをまとったこれらのイキモノたちが身の回りにうようよと徘徊しているのを想像するのはとても愉快なことです。 

岩崎清 (ギャラリーTOM副館長)

 

 

 

 

 

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